埼玉県環境科学国際センター機関リポジトリ(個別情報)
■ ID 1339
■ 種類 論文
■ タイトル 埼玉県熊谷市内の農業用水路におけるシジミ類の分布と生息環境
■ 著者 田中仁志 39)       埼玉県環境科学国際センター
宍戸久美子    立正大学
木持謙    埼玉県環境科学国際センター
金澤光    埼玉県環境科学国際センター
渡辺泰徳    立正大学
   
   
   
   
   
   
■ 出版元
■ 出版年 2011
■ 誌名・巻・号・年 用水と廃水、Vol.53、No.5、379-385、2011
■ 抄録・要旨 埼玉県熊谷市内に整備された農業用水路には、淡水二枚貝シジミ属(Corbicula sp.)が散在的に分布している。シジミ類の分布に影響を与える環境要因を明らかにするために、水路の流下経路上で、シジミ類の生息する2地点と、それらの上流および下流側の非生息地点を各2地点、計6地点を選定し、水質および流速などの生息環境を調査した。調査は、2006年7月から11月にかけて、およそ1カ月に1回の頻度で計5回、昼間に行なった。調査の結果、全調査地点の水路床はコンクリート製へと改修されており、流速は下流側の調査地点ほど、小さくなる傾向を示した。最上流側2地点では水路床上に堆積物が確認できなかった状況を踏まえ、大きな流速がシジミ類の生息を制限していると考察された。一方、各地点の主要な水質項目の平均値は、COD 3.2〜5.1mg/l、T-N 2.0〜3.5mg/l、T-P 0.09〜0.31mg/lの範囲で、下流側に位置する地点ほど、数値は増加する傾向にあった。最下流側2地点では、NH4-Nの最大値が0.32〜0.84(平均0.23〜0.40)mg/lを示し、下流側の地点ほど人為的汚濁源が影響していると考えられた。以上の結果から、シジミ類の生息制限環境要因として、上流側では過大な流速が、下流側では水質の悪化が示唆された。
■ キーワード
■ リンク先URL